二輪の免許を取ってからはや4年目
ついに大型バイクを買いました
っていっても買ったのは1年前ですけどね
買ったのはこれです
2008年のFZ1フェザー(RN21J)国内
なにしろ安かった
新車の250cc買うより安い
価格性能比で言うとコスパ最強車種のひとつです間違いなく
ていうか純粋にコスパで買いました
距離も25,000km弱と少なく、ETC付きで、前オーナーのメンテ状況も悪くなさそうだったのも決め手になりました
ヨシムラのスリップオン以外は特段カスタムされてませんが逆にその方が素性が良くて安心できます
タイヤも新しいものが着いてました
それにしても人気なさすぎじゃないですかね?フェザー
'04R1ベースのエンジンでスペック的には十分な性能を有してると思うんですが
若干足つきが悪いからかな
で、納車2日後ぐらいに案の定軽く立ちゴケもかましまして、気を取り直してタンクパッド代わりにアストロのカーボン調シートを貼ります
わりかし雑な性格なのでカバー範囲を広めにしときました
まずこういう雑な型紙を切って
切り抜いたシートをヒートガンで炙って伸ばして貼っていくんですが
どうしてもこういう内にエグれた部分にシワが寄ってしまいます
小2~3時間ほど格闘しましたがどうやっても取りきれないのであきらめてカッター入れました
一番の目的はタンクの保護ですからこれでまあヨシとします
このヘンは良い感じなんやが…
ま、遠目に見ればわからんでしょう!
ということで次
このFZ1は国内版なんですが、ひょっとして前オーナーがリミッターカットしてるかなーと思ったらしてませんでした
180km/hぐらいで(メーター読みで194km/hで)速度リミッターがかかります(らしいです)
で、ちょっと調べていたらこの年式のFZ1は純正ECUのままでリミッター解除と海外仕様のマップ、通称「裏マップ」に切り替えることができるそうです
圧縮比その他が違うので(圧縮比は輸出モデル11.5、国内モデル10.5)完全にフルパワーになるわけではないらしいですが国内モデルユーザーには定番のMODらしくレポートも充実しています
ただ残念なことに2010年以降の年式ではECUが変わってしまってできなくなっているそう
で、まずはその前に
パワーチェック
ノーマルからの変更点はヨシムラスリップオン(とそれによるEXUP解除)のみです
センサーの構造上なのかバイクの作りなのかトルクが採れないと言われましたが今回はMODの前後で効果をチェックするのが測定の主眼なので馬力のみ測ってもらいました
測定値で96.19PS
補正係数1.2をかけた推定で115.428PSでした
国内版のカタログ馬力が94馬力ですからずいぶん大きめの数値が出ています
ヨシムラスリップオンの効果にしては大きすぎる気もしますがそんなものでしょうか
それから半月後
部品も揃ったので裏マップ化(セミフルパワー化)やっていきます
パッセンジャーシート外して
メインシート外して
インナーカウルを取ります(#2プラスドライバー、4mmヘックス)
インナーカウルは内側2本、外側2本のボルトを外して後ろに少しずらすと抜けますが、インナーカウルの爪がアウターカウルに引っかかってる箇所があるので無理に引くと割れます(写真のように)
ボルト5本を外してタンク前側のカバーを取ります(4mm、5mmヘックス)
(締付トルクはセンターの5mmヘックスが7Nm、4mmの上側が0.3Nm、下側が1.5Nm)
タンク両サイドのボルトも外して(5mmヘックス、締付トルク7Nm)
タンクを持ち上げてラッシングベルトで固定します
エアクリーナーボックス
ボックスの上側をまず外します(#2プラスドライバー)
周囲の10ヶ所(締付トルク1.2Nm)
センターにあるもう1本と吸気温センサーのボルトを抜きます(締付トルク1.2Nm)
この奥まったとこにあるセンターの1本気付きにくいです
外すとエアクリーナーのエレメントとファンネルが見えます
エレメントはまだ大丈夫そうだな
エレメントを外すとこうなります
で、エアクリーナーボックス(下)からは2ヶ所ホースが出ています
ここと
左側のここ
4mmのヘックスをラチェットレンチに接続して
ファンネルのフランジボルト6ヶ所を外します (締付トルク4.2Nm)
外れました
ホース2ヶ所を外すと
今回交換するエアクリーナーボックスの下側が取れます
エアクリーナーボックスの下はこうなってます
ゴミが入り込むと大変なので作業の前にエアインテークを塞いでおいた方が良いでしょう
これがECU
ECUの型番の末尾が-40だと裏マップ化できるタイプだそうです
コネクターが外しにくいのでECUを固定してるゴムバンドを取ります
ロックを押し下げてちょっとだけ大きい方のコネクタを慎重に抜きます
なんとか引っ張り出しました
19番ピンはこれ
18と書いてあるピンの隣
コネクタの隙間に適当なもんを差し込んで裏側のリテーナを外します
使ってないポートにはプラの棒が挿してありました
接合側のプレートも外してみます
使用してる極にだけ端子(ターミナル)が入ってますね
前に作ったターミナル外し工具で
ターミナルの形状を調べるため隣の18番を引っこ抜いてみると
F(メス)ターミナルがついてました
てことはECU側のM(オス)端子のピンがこっちのFターミナルの角穴に挿さる構造のはずです
しかしこれだとリード線をただ単に差し込んだり、ハンダで固めてねじ込んだだけではECU側ときちんと電気的に接続するとはとても思えません
ちゃんとやるならこのコネクタに適合するターミナルを使わないと
軽く調べてみると、このコネクタは日本航空電子工業(JAE)製のMX23Aシリーズのようです
いつもお世話になってる配線.comで探してみますが該当がありません
スペックシートによると適用ターミナルの品番はM23S05Kとなってますが検索しても個人で買えそうなサイトがヒットしませんでした
JAE製で040型の似たようなFターミナルを探して配線.comで発注するしかないかなーと思っていたところ…
配線箱を漁ったらいつ買ったのか040型の他社製ターミナルが出てきました
たぶんグラトラの配線をいじるときに買って使わなかったコネクタのものかなー?
比べてみるとピン幅はどちらも1mmで外形はちょっと違いますがちょっと無理すれば入らないこともなさそうな形状です
こいつでトライしてみることにします
ということで予備含めて3本あったターミナルを1本ダメにしたりしつつ小一時間の苦闘の末なんとか奥まで挿し込むことに成功
右上が18番でその左隣の19番の奥がちょっと光ってるのが分かるでしょうか
そいつです
ここの線はネットでは「0.75sqで」と書いてあることが多いようですが、このサイズのターミナルと接続するにはちょっと太いですね
買ってきたやつの被覆が厚いだけかもしんないけど0.5sqでも良いぐらいです
で、ピンが刺さるか一応確認して
カバーを戻してECUに繋ぎます
19番に挿したケーブルの反対側は、適度な長さに切って丸端子つけます
丸型端子の穴の大きさはM6
良い子のみんなはちゃんと圧着工具使おうね
ちょうど良くサーモスタットのステーのボルトに他からのアース線が来てるのでそいつを外して共締めします
で、これが海外版のエアクリーナーボックス(下)
※価格は税抜き
ちなみに純正の品番は3C3-14411-00
これはプレスト正規輸入の車台番号がないとヤマハから部品出してもらえないらしくて、検索してネットで買いました
最近はこういうの厳しいそうです
ネットで買うと送料もかかるしYSPよりちょっと単価も高いですが致し方なし
こうして比較するとエアインテークの大きさがずいぶん違います
たまに国内版のBOXを加工してる人もいますがこの大きさまで穴を拡げるのはけっこう大変そうです
元のボックスについてたステーとグロメットは外して移植
エアクリーナーボックスの下にダンパーを貼ります
ホームセンターで売ってるような、ただのテープ付きスポンジですね
※価格は税抜き
交換作業はこれで終わり
あとは戻していくだけなんですが
1ヵ所だけ
ここのエアクリーナーボックスのステーを上下逆につけてました
タンクの前カバー取り付けるとき嵌まらなくて判明
タンク戻したのにまた上げて、エアクリボックスのビス12本外して、ファンネルの6本も外して、で、また戻して、という余分な作業が発生してしまいました
付け替えるとき写真見て確認したはずだったんですが、確認の仕方がいい加減だったようです
反省
工事、完了です
さて、これでようやく本題の裏マップ化作業に入ります
RESETとSELECTを押したままメインキーをONにします
「ONにしてすぐ」ではなく押したままONにするのが正解です
成功すると温度表示が"HI"で点滅するのでそのまま8秒ほどホールドすると
DIAGNOSTICモード(診断モード)とCO濃度調整を選択するメニューが出ます
年式によってはECUの配線をいじらなくてもメニューが表示されるようです
ただその場合裏マップの選択にまで進めるのかどうかはわかりません
CO濃度調整
Diagnosticモード
SELECTを押して「d1」を選択し、RESETとSELECTを2秒ほど長押しするとDiagnosticモードの選択メニューに入るので、SELECTを押して表示が「d:62」から「d:70」に変わった瞬間にRESETとSELECTを20秒ほど長押しします
20秒はけっこう長いですが、しばらく待つと写真のようにオレンジの警告灯が点灯します
点灯が国内マップ、点滅が海外マップですその状態でSELECTを押すと点灯が点滅に変わるので点滅したらキーをOFFにします
まとめると
ということで再びパワーチェック
青が前回測定値、緑が今回の測定値です
裏マップ化によって測定値で114.90PS、補正係数1.2を掛けた推定値で137.88PSに上がりました
輸出仕様のFZ1のカタログ馬力は150PSですからそれには及びませんが、おおよそ20%弱の馬力UPということになりました
エアクリーナーボックスの穴の大きさの違いほどには馬力が上がりませんね
真ん中に少し谷があるのも気になります
逆に言うと(速度リミッターを別にすれば)国内仕様もそれほど悪くないやん、ということでもあります
ぶっちゃけMOD前の測定値が予想より良かっただけにMOD後はもうちょっと上を期待していました
とは言うものの、作業内容と部品代を考えると、これ以上を求めるのは高望みが過ぎるでしょう
なにしろエアクリボックス、ダンパー、配線など3,000円+αの出費で、リミッターの解除と20馬力超の馬力UPですから、1馬力あたり150円、費用対効果としては抜群です
しかも、いつでも元に戻せます
で、乗ってみた感じとしては低速はトルクが上がってむしろ乗りやすくなったような気がします
高速に関してはまだ回してないんでわかりまへん
さて
Diagnosticモードの選択画面で「d1」の他にもうひとつ「Co」というのがありました
CO濃度を調整するメニューですが、ついでなのでこれも調整してみます
このCO濃度調整モードには「C:01」から「C:04」までの4つの選択メニューがあって、それぞれ-25から+25までの範囲の数値が選択できるんですが、ざっくり調べてみたところ、この調整項目が何を意味しているのかについては3つの説が見つかりました
1つは
左から数えてC:01~04ということになるそうです
2つめは
C:01 アクセル開度25%以下で3000rpm以下
C:02 アクセル開度25%以下で3000rpm以上
C:03 アクセル開度25%~90%
C:04 アクセル開度90%以上
のときのCO濃度を調整するというもの
3つめは
C:01 3000rpm以下
C:02 3000~7000rpm
C:03 7000~10000rpm
C:04 10000rpm以上
のときのCO濃度を調整するというもの
ぶっちゃけどれが正しいのかは空燃比計がないと(さらに気筒ごとの空燃比を測定するためには専用のエキパイもないと)わかりませんが、多くの国内モデルの初期値は0/0/0/0になっており、海外モデルの初期値が-5/20/20/2(場合によっては-4/20/20/1から-1/20/20/4)となっていることを考えると、「各気筒ごとのCO濃度調整」とする説はちょっと整合性が乏しいような気がします
「真ん中の2気筒が熱を持ちやすいのでリッチになっている」という説明はいかにももっともらしいですが、もし各気筒ごとに調整して初期値を決めているなら個体によって調整値がバラバラになっているはずで、このように初期設定値が同じような数値になるはずはないですし、2番と3番の真ん中2気筒はともかくとして、1番の気筒がいつも薄く、4番がいつも少し濃い目になっているのもおかしな話です
ただまあちゃんとした測定もせずにあれこれ論じても仕方がないので、「マップを海外仕様に変えたんだからCO濃度も海外仕様のものと同じに揃える」という、まったく頭を使わなくても良い結論で今回は行きたいなと思います
で、再びRESETとSELECTを押したままキーをONにして
SELECTボタンで今度は「Co」を選択し、RESETとSELECTを長押し
SELECTでC:01を選択してRESETとSELECTを長押し
SELECTで+、RESETで-に数値を変更してまたRESETとSELECTを長押し
次はSELECTでC:02を選択して、あとはこれを繰り返していきます
ということでCO濃度を海外版と同じ数値であろう-5/20/20/2に設定することができました
ちなみにこのフェザーの変更前の初期値は0/0/0/0になってました
しばらくはこれで様子をみようかなーと思います
おしまい
の、はずだったんですが…
ふとパーツリストを眺めていたら、とってもやばいことに気が付いてしまいました
エアクリーナー周辺には3つのシール(ゴムパッキン)が使われていて、そのうちの2つはパーツを使いまわししてるので問題ないんですけど
つまりエアクリボックス(下)の下側についてるシールが組み付けのときに入ってなかったんですね
これです
元々ついてたボックスを加工してつける場合はシールもそのままなんで問題ないんですが、新しく交換するときはグロメットと一緒にこのシールも移動させなきゃいけなかったんです、ほんとは
「といっても溝も掘ってあるし、そんな大きな隙間でもないしなー」と一瞬思いましたが…
エアクリーナーのフィルターを通らない空気がそのちょっとの隙間から流れ込んでエンジンに入ってしまうと…
と、考えると、どうみてもよろしくないですよね
ということで、後日、もう一度タンクを上げます
めっちゃ慣れてきたのでここまで早い
エアクリーナーボックスを外してみると、案の定シールが入ってません
これが例のシール
外した方のボックスから移植してもいいんですが、たった90円の部品ですしケチらず新しいものを付けたいと思います
※価格は税抜き
つけました
あとは戻して今度こそ本当におしまい
ついに大型バイクを買いました
っていっても買ったのは1年前ですけどね
買ったのはこれです
2008年のFZ1フェザー(RN21J)国内
なにしろ安かった
新車の250cc買うより安い
価格性能比で言うとコスパ最強車種のひとつです間違いなく
ていうか純粋にコスパで買いました
距離も25,000km弱と少なく、ETC付きで、前オーナーのメンテ状況も悪くなさそうだったのも決め手になりました
ヨシムラのスリップオン以外は特段カスタムされてませんが逆にその方が素性が良くて安心できます
タイヤも新しいものが着いてました
それにしても人気なさすぎじゃないですかね?フェザー
'04R1ベースのエンジンでスペック的には十分な性能を有してると思うんですが
若干足つきが悪いからかな
で、納車2日後ぐらいに案の定軽く立ちゴケもかましまして、気を取り直してタンクパッド代わりにアストロのカーボン調シートを貼ります
わりかし雑な性格なのでカバー範囲を広めにしときました
まずこういう雑な型紙を切って
切り抜いたシートをヒートガンで炙って伸ばして貼っていくんですが
どうしてもこういう内にエグれた部分にシワが寄ってしまいます
小2~3時間ほど格闘しましたがどうやっても取りきれないのであきらめてカッター入れました
一番の目的はタンクの保護ですからこれでまあヨシとします
このヘンは良い感じなんやが…
ま、遠目に見ればわからんでしょう!
ということで次
このFZ1は国内版なんですが、ひょっとして前オーナーがリミッターカットしてるかなーと思ったらしてませんでした
180km/hぐらいで(メーター読みで194km/hで)速度リミッターがかかります(らしいです)
で、ちょっと調べていたらこの年式のFZ1は純正ECUのままでリミッター解除と海外仕様のマップ、通称「裏マップ」に切り替えることができるそうです
圧縮比その他が違うので(圧縮比は輸出モデル11.5、国内モデル10.5)完全にフルパワーになるわけではないらしいですが国内モデルユーザーには定番のMODらしくレポートも充実しています
ただ残念なことに2010年以降の年式ではECUが変わってしまってできなくなっているそう
で、まずはその前に
パワーチェック
ノーマルからの変更点はヨシムラスリップオン(とそれによるEXUP解除)のみです
センサーの構造上なのかバイクの作りなのかトルクが採れないと言われましたが今回はMODの前後で効果をチェックするのが測定の主眼なので馬力のみ測ってもらいました
測定値で96.19PS
補正係数1.2をかけた推定で115.428PSでした
国内版のカタログ馬力が94馬力ですからずいぶん大きめの数値が出ています
ヨシムラスリップオンの効果にしては大きすぎる気もしますがそんなものでしょうか
それから半月後
部品も揃ったので裏マップ化(セミフルパワー化)やっていきます
パッセンジャーシート外して
メインシート外して
インナーカウルを取ります(#2プラスドライバー、4mmヘックス)
インナーカウルは内側2本、外側2本のボルトを外して後ろに少しずらすと抜けますが、インナーカウルの爪がアウターカウルに引っかかってる箇所があるので無理に引くと割れます(写真のように)
ボルト5本を外してタンク前側のカバーを取ります(4mm、5mmヘックス)
(締付トルクはセンターの5mmヘックスが7Nm、4mmの上側が0.3Nm、下側が1.5Nm)
タンク両サイドのボルトも外して(5mmヘックス、締付トルク7Nm)
タンクを持ち上げてラッシングベルトで固定します
エアクリーナーボックス
ボックスの上側をまず外します(#2プラスドライバー)
周囲の10ヶ所(締付トルク1.2Nm)
センターにあるもう1本と吸気温センサーのボルトを抜きます(締付トルク1.2Nm)
この奥まったとこにあるセンターの1本気付きにくいです
外すとエアクリーナーのエレメントとファンネルが見えます
エレメントはまだ大丈夫そうだな
エレメントを外すとこうなります
で、エアクリーナーボックス(下)からは2ヶ所ホースが出ています
ここと
左側のここ
4mmのヘックスをラチェットレンチに接続して
ファンネルのフランジボルト6ヶ所を外します (締付トルク4.2Nm)
外れました
ホース2ヶ所を外すと
今回交換するエアクリーナーボックスの下側が取れます
エアクリーナーボックスの下はこうなってます
ゴミが入り込むと大変なので作業の前にエアインテークを塞いでおいた方が良いでしょう
これがECU
ECUの型番の末尾が-40だと裏マップ化できるタイプだそうです
コネクターが外しにくいのでECUを固定してるゴムバンドを取ります
ロックを押し下げてちょっとだけ大きい方のコネクタを慎重に抜きます
なんとか引っ張り出しました
19番ピンはこれ
18と書いてあるピンの隣
コネクタの隙間に適当なもんを差し込んで裏側のリテーナを外します
使ってないポートにはプラの棒が挿してありました
接合側のプレートも外してみます
使用してる極にだけ端子(ターミナル)が入ってますね
前に作ったターミナル外し工具で
ターミナルの形状を調べるため隣の18番を引っこ抜いてみると
F(メス)ターミナルがついてました
てことはECU側のM(オス)端子のピンがこっちのFターミナルの角穴に挿さる構造のはずです
しかしこれだとリード線をただ単に差し込んだり、ハンダで固めてねじ込んだだけではECU側ときちんと電気的に接続するとはとても思えません
ちゃんとやるならこのコネクタに適合するターミナルを使わないと
軽く調べてみると、このコネクタは日本航空電子工業(JAE)製のMX23Aシリーズのようです
いつもお世話になってる配線.comで探してみますが該当がありません
スペックシートによると適用ターミナルの品番はM23S05Kとなってますが検索しても個人で買えそうなサイトがヒットしませんでした
JAE製で040型の似たようなFターミナルを探して配線.comで発注するしかないかなーと思っていたところ…
たぶんグラトラの配線をいじるときに買って使わなかったコネクタのものかなー?
比べてみるとピン幅はどちらも1mmで外形はちょっと違いますがちょっと無理すれば入らないこともなさそうな形状です
こいつでトライしてみることにします
ということで予備含めて3本あったターミナルを1本ダメにしたりしつつ小一時間の苦闘の末なんとか奥まで挿し込むことに成功
右上が18番でその左隣の19番の奥がちょっと光ってるのが分かるでしょうか
そいつです
ここの線はネットでは「0.75sqで」と書いてあることが多いようですが、このサイズのターミナルと接続するにはちょっと太いですね
買ってきたやつの被覆が厚いだけかもしんないけど0.5sqでも良いぐらいです
で、ピンが刺さるか一応確認して
カバーを戻してECUに繋ぎます
19番に挿したケーブルの反対側は、適度な長さに切って丸端子つけます
丸型端子の穴の大きさはM6
良い子のみんなはちゃんと圧着工具使おうね
ちょうど良くサーモスタットのステーのボルトに他からのアース線が来てるのでそいつを外して共締めします
で、これが海外版のエアクリーナーボックス(下)
ちなみに純正の品番は3C3-14411-00
これはプレスト正規輸入の車台番号がないとヤマハから部品出してもらえないらしくて、検索してネットで買いました
最近はこういうの厳しいそうです
ネットで買うと送料もかかるしYSPよりちょっと単価も高いですが致し方なし
こうして比較するとエアインテークの大きさがずいぶん違います
たまに国内版のBOXを加工してる人もいますがこの大きさまで穴を拡げるのはけっこう大変そうです
元のボックスについてたステーとグロメットは外して移植
エアクリーナーボックスの下にダンパーを貼ります
ホームセンターで売ってるような、ただのテープ付きスポンジですね
交換作業はこれで終わり
あとは戻していくだけなんですが
1ヵ所だけ
ここのエアクリーナーボックスのステーを上下逆につけてました
タンクの前カバー取り付けるとき嵌まらなくて判明
タンク戻したのにまた上げて、エアクリボックスのビス12本外して、ファンネルの6本も外して、で、また戻して、という余分な作業が発生してしまいました
付け替えるとき写真見て確認したはずだったんですが、確認の仕方がいい加減だったようです
反省
工事、完了です
さて、これでようやく本題の裏マップ化作業に入ります
RESETとSELECTを押したままメインキーをONにします
「ONにしてすぐ」ではなく押したままONにするのが正解です
成功すると温度表示が"HI"で点滅するのでそのまま8秒ほどホールドすると
DIAGNOSTICモード(診断モード)とCO濃度調整を選択するメニューが出ます
年式によってはECUの配線をいじらなくてもメニューが表示されるようです
ただその場合裏マップの選択にまで進めるのかどうかはわかりません
CO濃度調整
Diagnosticモード
SELECTを押して「d1」を選択し、RESETとSELECTを2秒ほど長押しするとDiagnosticモードの選択メニューに入るので、SELECTを押して表示が「d:62」から「d:70」に変わった瞬間にRESETとSELECTを20秒ほど長押しします
20秒はけっこう長いですが、しばらく待つと写真のようにオレンジの警告灯が点灯します
点灯が国内マップ、点滅が海外マップですその状態でSELECTを押すと点灯が点滅に変わるので点滅したらキーをOFFにします
まとめると
- RESETとSELECTボタンを押したままキーをON
- 温度表示「HI」を確認しそのままRESETとSELECTを長押し(8秒)
- 「d1」を選択しRESETとSELECTを長押し(2秒)
- SELECTを押していって「d:62」から「d:70」になった瞬間にRESETとSELECTを長押し(20秒)
- SELECTを押して警告灯を点滅に変更しキーをOFF
ということで再びパワーチェック
青が前回測定値、緑が今回の測定値です
裏マップ化によって測定値で114.90PS、補正係数1.2を掛けた推定値で137.88PSに上がりました
輸出仕様のFZ1のカタログ馬力は150PSですからそれには及びませんが、おおよそ20%弱の馬力UPということになりました
エアクリーナーボックスの穴の大きさの違いほどには馬力が上がりませんね
真ん中に少し谷があるのも気になります
逆に言うと(速度リミッターを別にすれば)国内仕様もそれほど悪くないやん、ということでもあります
ぶっちゃけMOD前の測定値が予想より良かっただけにMOD後はもうちょっと上を期待していました
とは言うものの、作業内容と部品代を考えると、これ以上を求めるのは高望みが過ぎるでしょう
なにしろエアクリボックス、ダンパー、配線など3,000円+αの出費で、リミッターの解除と20馬力超の馬力UPですから、1馬力あたり150円、費用対効果としては抜群です
しかも、いつでも元に戻せます
で、乗ってみた感じとしては低速はトルクが上がってむしろ乗りやすくなったような気がします
高速に関してはまだ回してないんでわかりまへん
さて
Diagnosticモードの選択画面で「d1」の他にもうひとつ「Co」というのがありました
CO濃度を調整するメニューですが、ついでなのでこれも調整してみます
このCO濃度調整モードには「C:01」から「C:04」までの4つの選択メニューがあって、それぞれ-25から+25までの範囲の数値が選択できるんですが、ざっくり調べてみたところ、この調整項目が何を意味しているのかについては3つの説が見つかりました
1つは
- 各気筒ごとのアイドリング時のCO濃度を調整する
左から数えてC:01~04ということになるそうです
2つめは
- アクセル開度に応じたCO濃度を調整する
C:01 アクセル開度25%以下で3000rpm以下
C:02 アクセル開度25%以下で3000rpm以上
C:03 アクセル開度25%~90%
C:04 アクセル開度90%以上
のときのCO濃度を調整するというもの
3つめは
- 回転数に応じたCO濃度を調整する
C:01 3000rpm以下
C:02 3000~7000rpm
C:03 7000~10000rpm
C:04 10000rpm以上
のときのCO濃度を調整するというもの
ぶっちゃけどれが正しいのかは空燃比計がないと(さらに気筒ごとの空燃比を測定するためには専用のエキパイもないと)わかりませんが、多くの国内モデルの初期値は0/0/0/0になっており、海外モデルの初期値が-5/20/20/2(場合によっては-4/20/20/1から-1/20/20/4)となっていることを考えると、「各気筒ごとのCO濃度調整」とする説はちょっと整合性が乏しいような気がします
「真ん中の2気筒が熱を持ちやすいのでリッチになっている」という説明はいかにももっともらしいですが、もし各気筒ごとに調整して初期値を決めているなら個体によって調整値がバラバラになっているはずで、このように初期設定値が同じような数値になるはずはないですし、2番と3番の真ん中2気筒はともかくとして、1番の気筒がいつも薄く、4番がいつも少し濃い目になっているのもおかしな話です
ただまあちゃんとした測定もせずにあれこれ論じても仕方がないので、「マップを海外仕様に変えたんだからCO濃度も海外仕様のものと同じに揃える」という、まったく頭を使わなくても良い結論で今回は行きたいなと思います
で、再びRESETとSELECTを押したままキーをONにして
SELECTボタンで今度は「Co」を選択し、RESETとSELECTを長押し
SELECTでC:01を選択してRESETとSELECTを長押し
SELECTで+、RESETで-に数値を変更してまたRESETとSELECTを長押し
次はSELECTでC:02を選択して、あとはこれを繰り返していきます
ということでCO濃度を海外版と同じ数値であろう-5/20/20/2に設定することができました
ちなみにこのフェザーの変更前の初期値は0/0/0/0になってました
しばらくはこれで様子をみようかなーと思います
おしまい
の、はずだったんですが…
ふとパーツリストを眺めていたら、とってもやばいことに気が付いてしまいました
エアクリーナー周辺には3つのシール(ゴムパッキン)が使われていて、そのうちの2つはパーツを使いまわししてるので問題ないんですけど
- エアクリーナーボックスとエアインテーク(というかスロットルボディ)の間のシール
つまりエアクリボックス(下)の下側についてるシールが組み付けのときに入ってなかったんですね
これです
元々ついてたボックスを加工してつける場合はシールもそのままなんで問題ないんですが、新しく交換するときはグロメットと一緒にこのシールも移動させなきゃいけなかったんです、ほんとは
「といっても溝も掘ってあるし、そんな大きな隙間でもないしなー」と一瞬思いましたが…
エアクリーナーのフィルターを通らない空気がそのちょっとの隙間から流れ込んでエンジンに入ってしまうと…
と、考えると、どうみてもよろしくないですよね
ということで、後日、もう一度タンクを上げます
めっちゃ慣れてきたのでここまで早い
エアクリーナーボックスを外してみると、案の定シールが入ってません
これが例のシール
外した方のボックスから移植してもいいんですが、たった90円の部品ですしケチらず新しいものを付けたいと思います
つけました
あとは戻して今度こそ本当におしまい